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『働きマン』


安野モヨコ著


==「現場」の仕事を知る==


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      ~自分らしい働き方を探す~
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「自分が本当にやりたいことがわからないんですよ」


大学三年のとき、サークルの後輩のSくんはこう言っていました。


彼は専門学校生でしたが、ほとんど学校には行かず、


居酒屋でのアルバイトばかりながら、


自分が本当にやりたいと思えるものを探していたようです。


話してみると、彼はとても真面目に将来を考えていて、


その話し方はとても筋が通っていましたが、


何か違和感を持たずにはいられませんでした。



「S君は、今の生活をしながら本気でやりたいことを

探しているのだろうか?」



「働きマン」の主人公の恋人、


山城新二は、大手ゼネコンの建設現場監督者。



―俺は何をしたいんだろう


 この仕事の何が好きといえるだろう


 どこをつくったと言えるだろう



仕事への迷いから一生懸命になれない新二に突然の人事異動。


初めて彼は、激しく後悔している自分に気づきます。



「“この仕事のどこが好きか”なんて考えているヒマがあったら、

もっとちゃんとやっておけばよかった」


と。



一つの仕事を好きになれるかどうか、


自分に向いているかどうかなんて、


一度本気で取り組まないと、


最後までわかりません。


後輩のSくんはその後、


アルバイトが忙しくなったらしく、それから会っていません。


彼は本当にやりたいことが見つかったのか、


それとも新二のように、まだ迷っているのか。


これから会社を選ぶみなさんも、やりたいことを「探す」だけでなく、


何かに一生懸命取り組みながら探してほしいと思います。


遠回りのようで、やりがいを見つけるには、それが一番近道だからです。